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TSUCHIYA Miku

Past_2022.12.3ー12.17

土屋未久〈Swimming in the crack of light 〉

Past|2022年12月3日[土]―12月17日[土]

何か、になることを想像しながら光の隙間を探す。
線を追って魚のように泳ぐ。
泳ぎ疲れて馬のように眠る。
目覚めるとまたヒトのように暮らす。

土屋未久

土屋未久(つちや・みく)
1991年愛知県生まれ。ペインター・イラストレーター。
頭の中で粘土のようにこねたモチーフたちを、自身の空間に配置し、絵に描きおこしている。絵を通して、自分も他者も見たことのない知らない場所へ連れていきたい。

2020年にPrinted Union にて開催した土屋未久〈丸めて 伸ばして 受容する〉では、作品の中に描かれる人物や動物は「知らない場所へ自分や他者を連れて行く」役割として存在していました。

近年、土屋さんの文章に「場」という言葉をよく見かけるようになり、今回の展覧会〈光の隙間を泳ぐ〉では、「靄がかる道を歩くような日々のなかで、光の隙間を見つけ何かに怯えることなく存在できる場を絵のなかにつくりだしたい。」と土屋さんは語ります。
それは、かつては箱庭のような絵画空間を描き出す「観察する視点」であったものが、やがて自らもその世界の内側に入り込み、自らを投影したモチーフがその場所に存在しているかのようです。

今回の作品群に見られる「くっつき、もたれ合うモチーフたち」は、サナギのメタモルフォーシスのように不確実な形態に自らと他者が成ってゆく、或いは石や木などの自然物や、魚や馬等の他の存在と混ざり合うことによってこの世界の均衡が保たれているようなイメージが立ち上がります。変化する事、それこそがこの絵画世界に埋め込まれた秩序なのかもしれません。